男性更年期について

投稿日:2011年3月13日|カテゴリ:泌尿器科相談室

50代~60代を中心とする中高年男性で、「何もする気がしない」「眠れない」「いらいらする」などのような鬱状態が長引いている場合は、男性ホルモンの著しい低下が原因となっている可能性があり、「男性更年期」という体の変調で、「加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群」といわれています。

<LOH症候群とは>
  男性ホルモンの著しい減少が原因で起こるもので、国内では比較的新しい病気の概念です。その症状は「性機能が損なわれる」、「やる気がない」「へんな汗をかく」「動悸、息切れがする」などです。男性ホルモンは主に精巣から分泌、20代をピークに次第に減少。その量や減り方は個人差が大きく、仕事で大きなストレスがかかったり、定年で社会的な居場所がなくなったりした時に減少するともいわれています。

<メタボとの関連性>
  男性ホルモンは、最近では様々な生活習慣病(メタボリック症候群)にも関連している可能性があるとみられており、男性ホルモン量が少ないと、がんや糖尿病、高血圧になりやすいとも言われております。しかし男性ホルモンが少ないから生活習慣病になるのか、病気になったからホルモンが減少するのかの因果関係は、まだ解明されておりません。

<鬱の症状>
  中高年男性でも鬱病のような心の病気を抱える人が増え、LOH症候群が注目されており、「集中力低下」「無気力」「不眠」などの症状が見られます。精神科や心療内科を受診しても症状の改善がみられなかった人で男性ホルモンの補充治療により回復するケースもあります。

<予防法>
  まじめで責任感が強く、几帳面な性格の人が昇進・異動によるプレッシャーやストレスをきっかけにLOH症候群になるケースが多く認められます。加齢に伴う男性ホルモンの減少自体を止めることは難しいのですが、仕事に対する取り組みの見直し、運動や趣味でのストレス解消になどは、LOH症候群の発症予防につながります。 古くから漢方では、LOH症候群に似た体の状態を「腎虚」と呼び、「八味地黄丸」を始めとする幾つかの漢方薬を使用しています。

鬱病を引き起こす要因はまちまちでLOH症候群はその1つに過ぎず、また男性ホルモンの低下が必ずしも無気力や不眠などの症状を訴えると限らないこと、さらに加齢減少を自然の摂理とすれば、ホルモン補充による安易な治療はよくないとの説もあるようです。
ただ、精神科や心療内科で治療を続けても落ち込んだまま元気を取り戻せない人は、男性更年期かもしれませんので、LOH症候群に詳しい泌尿器科の医師に相談されて下さい。