夜尿症とは
5~6歳を過ぎても,夜寝ている間に尿漏れを生じ,衣類や寝具をぬらしてしまう状態をいいます。
病因
尿路系、神経系、ホルモン、大脳皮質などさまざまな要素がバランス良く作用して初めておしっこを漏らさないですみます。病気や環境の変化で、これらの複雑な働きのバランスが崩れることが、夜尿症の原因です。尿意を感じる力と膀胱に尿をためる力のアンバランスが原因です。
1.身体的要因
抗利尿ホルモン(AVP)分泌障害,膀胱機能障害,自律神経障害,睡眠障害,アレルギー等
2.心理的要因
親子関係,情緒障害,家庭環境,社会環境,発育環境等多くの病因があります。
発症に仕方による分類
一次性
乳児期から夜尿が消失した時期が無く、持続している場合。
二次性
幼時期から学童期にかけて少なくとも1年以上にわたって夜尿が消失したにもかかわらず,何らかの原因で再び夜尿をみる場合。
夜尿の状態による分類と生活指導
多尿型
夜間尿量の多い型 : 起床時尿比重が1.022以下
指導
1.夜尿症に関する一般的注意 : あせらず・怒らず・起こさず
2.食事指導
a)塩分の制限・蛋白質の過剰摂取の制限
b)食事中の飲水量の制限
c)夕食後の飲水,飲食の制限
膀胱型
膀胱容量が少ない型 : 昼間の平均排尿量が年齢相応より少ない。
6~8歳 70ml以下、8~11歳 100ml以下、12~15歳 130ml以下
(正常児の年齢と膀胱容量の関係; 膀胱容量=年齢×25ml)
指導
1.夜尿症に関する一般的注意 : あせらず・怒らず・起こさず
2.排尿訓練
昼間排尿時の排尿抑制(一日一回だけ、排尿時にトイレの前でできるだけ尿をがまんさせる)。
混合型
夜間尿量が多く,機能的膀胱容量も少ない型
指導
1.夜尿症に関する一般的注意 : あせらず・怒らず・起こさず
2.食事指導
3.排尿訓練
正常型
夜間尿量も多くなく,機能的膀胱容量も年齢相応の型
指導
1.夜尿症に関する一般的注意 : あせらず・怒らず・起こさず
夜尿症の3原則 : あせらず・怒らず・起こさず
むやみに起こしたり叱ったりすることは、夜尿症の治療に無効であるばかりでなく、子供の成長にとって大切な睡眠を中断することで、将来に悪影響を残す可能性も指摘されていますので注意が必要です。
薬物療法
抗利尿ホルモン剤
デスモプレシン(夜間尿量を減少させる)。
三環系抗うつ剤
アナフラニール、トフラニール、トリプタノール
(下垂体後葉からの抗利尿ホルモンの分泌を促す;抗コリン作用により膀胱を拡張させる;睡眠中に尿意を感じた時に目覚めやすくする)
自律神経剤
バップフォー、ポラキス等(膀胱を拡張させる)



