胃食道逆流症(GERD)
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症状から見る疾患
尿が近い、尿の回数が多い(多尿・頻尿・尿意切迫)
夜間頻繁に排尿で起きる(夜間尿失禁)
尿が漏れる(尿失禁)
尿が出にくい・尿の勢いが弱い・尿をするのにお腹に力を入れる(無尿・尿閉)
尿が全く出ない(尿閉)
尿が残っている感じがある(残尿感)
「おねしょ」(夜尿症)が治らない
尿をするときに痛む(排尿時痛)
勃起力が低下した
尿道から膿が出る
精液に血が混じり赤くなった
排尿時に痛む
前立腺がんが心配
前立腺肥大症かどうか検査したい
陰嚢内が痛い
陰茎、陰嚢がかゆい
陰茎、陰嚢が痛い
睾丸(陰嚢)が腫れている(陰嚢腫大)
血液検査でPSA値が高い言われた
尿検査で尿に血が混じる。「血尿」を指摘された。
各種検査
骨シンチグラフィー
残尿測定
前立腺触診(直腸診)
超音波検査
尿検査
尿細胞診
尿道造影(UG)
尿流量測定
排泄性尿路造影(IVP・DIP)
膀胱鏡検査
膀胱造影(CG)
膀胱内圧測定(CMG)
CT検査
MRI検査
PET
PSA検査
前立腺針生検
胃食道逆流症(GERD)とは?

胃食道逆流症とは、酸やペプシンを含む胃の内容物や胆汁酸や膵液を含む十二指腸の内容が、食道内へと逆流することでおこる病態の総称疾患名です。簡単にいうなら、胸やけと言われる症状の全てをまとめてそう呼んでいます。別名GERDとも呼ばれるこの症状には、食道粘膜にびらん粘膜障害がないものの症状だけが伴う非びらん性胃食道逆流症(NERD:non-erosive reflux disease)、逆流性びらん粘膜障害が食道粘膜に生じている食道炎(reflux esophagitis)、そして食道粘膜が円柱上皮化生になったバレット食道(Barrett’s esophagus)も含まれます。また、内視鏡検査において粘膜障害の条件が認められる逆流性食道炎も胃食道逆流症の内に含まれます。
胃食道逆流症(GERD)の症状は?
食道と胃の境目である食道下端部分には、下部食道括約帯(LES)があり正常時は胃内容の逆流を防ぐため閉じているのですが、嚥下運動やゲップ時には大きく開きます。また何もない時にもLESが弛緩することもあり、一過性LES弛緩といわれる状態で、座位や立位の際にLES弛緩が長く持続することになりますが、これが頻繁に起こるのが胃食道逆流症の主因だという説が多いです。また胃食道逆流症を起こしやすくする病態として食道裂孔ヘルニアがあります。げっぷ、胸焼け、胸まわりの痛み、胸のつっかえや異物感といった食道付近で起こる定型症状と、中耳炎、のどのあたりの違和感、ぜんそくに似た咳、歯ぎしり、睡眠時無呼吸症候群、虫歯、声のかすれなど食道外で起こる非定型症状があります。
胃食道逆流症(GERD)の原因は?
胃食道逆流症の原因はいまだ明確に断定されてはいませんが、精神的なストレスや過労といった身体的なストレスが要因とされており、いわゆる緊張状態の持続が食道周辺の機能に影響し、逆流症状を起こしているという説が有力です。具体的には、食べ過ぎや刺激物のとり過ぎなどが引き金となって起こる食道と胃の間にある下部食道括約筋の機能の低下、胃の中に胃酸が過剰に出る胃酸過多状態、そして食道が特に酸を感じやすくなっていて、粘膜障害はないものの胸やけを感じる食道の知覚過敏、というような要因が考えられます。その他にも、胃の全部摘出をした方が胸やけを訴える場合など、食道機能に異常が起こっていることを示すケースもあります。
胃食道逆流症(GERD)の検査・診断は?
胃食道逆流症の診断には主に2つの方法があり、バリウムを用いて行うX線透視検査、そして内視鏡を用いて行う粘膜の直接観察方法です。他にはQESTと呼ばれる問診表を用いる診断や、プロトンポンプ阻害薬(通称PPI)を投与し症状が消失するかをみるPPI試験が採用されます。内視鏡検査をして逆流性食道炎の有無をみる必要も人によっては出てきます。ですが一方で内視鏡検査を通しても変化を確認しにくい非びらん性胃食道逆流症もありまして、最終的に24時間pH測定を行っていくことになります。
このpH測定検査は先端にセンサーのついた柔軟なチューブを、鼻から入れていきます。チューブの逆端についているモニターで24時間、食道の酸性度を記録していき、これによって逆流がどの程度起きているかを調べながら、症状と逆流との関係も確認していく方法です。
胃食道逆流症(GERD)の治療は?
胃食道逆流症の治療は内科的な医療の治療と、食生活などライフスタイルの改善との両面から行う必要があります。
内科的治療ではPPIやH2受容体拮抗薬の投与が主体となっています。ちなみに内科的治療で効果がみられない場合には外科的治療も行い、具体的には腹腔鏡下ニッセン法、他にもトペー法やドール法も用います。さらに、コリス法やダイタル法も行われることがあります。
消化管運動機能改善薬、胃酸の分泌を抑える胃酸分泌抑制薬、そして不安や緊張といったストレスに対抗するのを助ける抗不安薬を使用した薬物療法が用いられるケースもあります。
ライフスタイルの改善では、肥満解消、油ものや甘いものなど逆流しやすい食品の制限、胃腸に負担の少ない食生活などといった取り組みが必要となってきます。