尿失禁

尿失禁とは?

本人の意識と関係なく尿が漏れる事を尿失禁と言います。
尿失禁には以下のような種類があります。

1.腹圧性尿失禁

クシャミ、せき、大笑い、階段の上り下り、重いものを持ち上げる時などお腹に力が入った時におこる尿失禁を腹圧性尿失禁といいます。女性の4割を超える2000万人以上が悩まされ、50歳以上では半数以上にみられ、経産婦や肥満の方に多く認められます。原因は尿道・膀胱を吊り上げている骨盤底筋群がゆるむ為です。
便秘や冷え性も原因になります。

2.切迫性尿失禁

強い尿意のため、尿を我慢できず膀胱が勝手に収縮し失禁する症状です。尿の量は腹圧性尿失禁より多く、尿の回数が多くなる頻尿という症状が起きます。主な原因は以下です。

1.脳や脊髄の神経障害 脳卒中、脳腫瘍、痴呆、脊髄損傷、パーキンソン病 などです。
2.OAB(過活動膀胱あるいは不安定膀胱) 神経系に障害がないのに強い尿意に迫られます。
尿があまりたまっていなくとも、意志と関係なく膀胱が縮んで漏らします。一番多いタイプの切迫性尿失禁ですが、
原因不明です。高齢になり排尿コントロールが不調になるためと思われます。
3.知覚神経過敏 膀胱炎、膀胱癌、膀胱結石など膀胱に炎症が起き、知覚神経が過敏になって、尿漏れを起こします。

3.溢流性尿失禁

膀胱に尿がこれ以上たまらなくなって、ダムの水があふれるように尿が漏れる状態です。
原因は前立腺肥大症、前立腺癌、尿道狭窄、糖尿病に伴う神経因性膀胱などで、男性に多くみられます。

4.夜尿症

いわゆる、おねしょです。
日中もおもらしするお子さんがおりますがこれは昼間遺尿症といいます。尿意を感じる力と膀胱に尿をためる力のアンバランスが原因です。

尿失禁の診断

1.尿検査で血球や細菌の有無を調べ、膀胱炎など泌尿器の病気を見つけること。
2.超音波検査やレントゲン撮影で膀胱や尿道の形や残尿の有無を調べる。
3.漏れの程度を調べる。(パットテスト)
4.尿水力学的検査として、尿の出具合(尿流量測定)や膀胱・尿道・尿道括約筋の働きを調べる。

1から4を総合的にみて、診断します。 (主な検査・装置へ)
正確な診断には、長年の経験が必要ですが、当クリニックでは30年以上の排尿異常の専門家としての経験により、適切な診断が可能です。

尿失禁の治療

当クリニックでは排尿訓練、骨盤底筋体操の指導、お薬による治療の他、重症の場合はコラーゲン注入手術も行っております。あらゆる種類、程度の尿失禁に対応可能です。