慢性腎不全
対応する内科の主な疾患
症状から見る疾患
- 尿が近い、尿の回数が多い(多尿・頻尿・尿意切迫)
- 夜間頻繁に排尿で起きる(夜間尿失禁)
- 尿が漏れる(尿失禁)
- 尿が出にくい・尿の勢いが弱い・尿をするのにお腹に力を入れる(無尿・尿閉)
- 尿が全く出ない(尿閉)
- 尿が残っている感じがある(残尿感)
- 「おねしょ」(夜尿症)が治らない
- 尿をするときに痛む(排尿時痛)
- 勃起力が低下した
- 尿道から膿が出る
- 精液に血が混じり赤くなった
- 前立腺がんが心配
- 前立腺肥大症かどうか検査したい
- 陰嚢内が痛い
- 陰茎、陰嚢がかゆい
- 陰茎、陰嚢が痛い
- 睾丸(陰嚢)が腫れている(陰嚢腫大)
- 血液検査でPSA値が高いと言われた
- 尿検査で尿に血が混じる。「血尿」を指摘された。
在宅訪問診療
慢性腎不全とは?
慢性腎不全は病名ではなく、腎臓の働きが低下している病態名で、数か月から数十年かけてゆっくりと腎臓の働きが低下する病態のことをいいます。
すべての腎臓病が原因となり、主に糸球体を傷害する慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症、間質を傷害する間質性腎炎、血管を傷害する高血圧などがあります。近年では糖尿病患者の慢性腎不全が急激な増加傾向にあります。
腎臓の機能はいったん失われると回復することが少なく、腎機能が10%以下に低下した末期腎不全に至ると、腎移植あるいは一生透析法を受けることが必要になります。
慢性腎不全のもととなる腎臓病を防ぐためには、日ごろの体調管理が大切です。高血圧・肥満も腎臓病の大きな原因となるので、毎日の血圧チェックや適度な運動を心がけましょう。
慢性腎不全の症状は?
腎機能の低下が進むと、様々な症状が出始めます。
腎機能が90%以上はほとんど自覚症状がありませんが、検査ではたんぱく尿や高血圧がみられます。腎機能30~60%で目のまわりや足のむくみ(浮腫)がみられ、この段階ではクレアチニン上昇の検査所見があります。腎機能15~30%で貧血、倦怠感、15%未満で息切れ、食欲低下、吐気がみられ、カルシウム・リン上昇や心不全、アシドーシスなどの検査所見があります。この他尿の量が増える、夜間尿、皮膚のかゆみなどの症状もみられます。
これらの症状が自覚される段階では、すでに慢性腎不全がかなり進行していると考えられます。慢性腎不全の初期はあまり自覚症状がないため、早期発見が困難です。症状がなくても検査の数値で発見が可能なため、定期的な検査を受けることが有効です。
慢性腎不全の原因は?
すべての腎疾患が慢性腎不全の原因となります。最も多いのが糖尿病の合併症である糖尿病 腎症です。その他高血圧により引き起こされる腎硬化症、慢性腎炎、腎盂腎炎などが多くみられます。
慢性腎不全の原因を疾患別にみると、代謝性疾患(糖尿病、痛風)、糸球体疾患 (糸球体腎炎、紫斑性腎炎)、先天性疾患 (多発性嚢胞腎、腎形成不全)、血管性疾患 (高血圧、動脈硬化)、などに分けられます。
慢性腎不全につながる腎疾患の最も大きな原因が糖尿病・高血圧です。さらに血糖の上昇、脂質異常(コレステロールが高い)、メタボリックシンドロームが病態を悪化させる原因となっています。このように、生活習慣病と慢性腎不全が深く関連している事がわかっています。
慢性腎不全の検査・診断は?
一般的な定期検査で最も簡単に受けられる腎臓検査は尿検査です。健康診断でタンパク尿や血尿が指摘されると腎臓病を疑います。
腎疾患が認められた初期の段階でおこなわれる腎生検では、腎臓の組織を一部採取して顕微鏡でみます。これによって正しい病名や病態の診断がつきます。
血液検査では主にクレアチニンと尿素窒素の値を見ます。腎機能が低下すると血液中のクレアチニン値・尿素窒素の値が上がるため、腎機能の状態を測定するのに有効です。クレアチニン・クリアランス検査では、糸球体濾過(ろか)量を推測することができます。
慢性腎不全の状態は、これらのクレアチニンの値と球体ろ過量から推測することができます。この二つの数値から残腎機能を計算できるので、透析を始める時期を予測し長期的な正しい治療計画を立てることができます。
慢性腎不全の治療は?
腎機能は一度失われると回復が困難なため、慢性腎不全の治療の最も大きな目的は、少しでも透析療法への移行を遅らせることに主眼がおかれます。
薬物療法に関しては慢性腎不全を治す薬がないため、その進行に影響する病気(糖尿病や高血圧症など)を治療する薬が処方されます。食事療法では塩分やたんぱく質、カリウムの摂取制限、尿量に合わせた水分摂取の指導がされます。また、血圧や腎機能をみながら運動量を制限する必要があります。
腎機能が10%以下の末期腎不全に移行すると、透析療法や腎移植が必要になります。日本国内では腎移植数は少なく、ほとんどの患者が透析治療を受けることになります。
慢性腎不全は回復が難しい病態ですが、透析治療を受ければすぐ生命にかかわることはありません。ただし、高血圧が続くと心臓病や脳卒中などの合併症を誘発しやすくなるので、医師の指導を守りながら生活することが大切です。
関連する症状
- 尿が近い、尿の回数が多い(多尿・頻尿・尿意切迫)
- 夜間頻繁に排尿で起きる(夜間尿失禁)
- 尿が漏れる(尿失禁)
- 尿が出にくい・尿の勢いが弱い・尿をするのにお腹に力を入れる(無尿・尿閉)
- 尿が全く出ない(尿閉)
- 尿が残っている感じがある(残尿感)
- 「おねしょ」(夜尿症)が治らない
- 尿をするときに痛む(排尿時痛)
- 勃起力が低下した
- 尿道から膿が出る
- 精液に血が混じり赤くなった
- 前立腺がんが心配
- 前立腺肥大症かどうか検査したい
- 陰嚢内が痛い
- 陰茎、陰嚢がかゆい
- 陰茎、陰嚢が痛い
- 睾丸(陰嚢)が腫れている(陰嚢腫大)
- 血液検査でPSA値が高いと言われた
- 尿検査で尿に血が混じる。「血尿」を指摘された。