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血尿・尿潜血

血尿・尿潜血とは?

血尿と尿潜血とはどちらも尿に赤血球が混ざっている状態なのですが、血尿は肉眼で確認できる場合であり、顕微鏡や試験紙等でしか確認できない場合は顕微鏡的尿潜血と言います。

尿に赤血球が混ざる場合として考えられる病気は、1泌尿器系(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の腫瘍、2尿路結石、3尿路の炎症、4腎臓疾患による場合です。1泌尿器系の腫瘍には良性腫瘍、悪性腫瘍があり、尿潜血の2~3%に悪性腫瘍が確認されています。指摘された場合には、精密検査が必要です。2尿路結石には腎臓、膀胱尿管に結石がある状態で、無自覚の場合もありますが石ができる原因については見解が分かれています。3尿路の炎症には、膀胱炎、腎盂炎、尿路感染症などがあります。4腎臓疾患には慢性糸球体腎炎などがあります。

血尿・尿潜血の症状は?

血尿と共に確認ができる症状には、膀胱炎や尿路感染症などの発熱や痛みを伴う場合があります。逆に痛みやその他の症状がない場合もあり、血尿性膀胱炎の場合には血尿で受診するも、それ以外の症状を伴わない事もあります。
人間ドッグなどの定期的な検査で、肉眼で確認できない尿潜血を指摘された場合には、無自覚である事もあり、再検査や精密検査を受けて、腎臓疾患や腫瘍が見つかるケースもあります。無症状、無自覚で結石が指摘される場合もありますので、肉眼で血尿が確認できても痛みや発熱を伴わない事も多くあります。

また、女性の場合には生理に伴い、肉眼で確認できない微量の赤血球反応がでる場合もありますので、発熱や痛みを伴う場合には細菌感染の疑いが強くなります。

血尿・尿潜血の原因は?

尿路感染症などによる、細菌感染から炎症を起こし血尿とみられる場合が多くあります。まれに小さい子供がアデノウイルスに感染した場合による原因もあります。介護の際によるおむつや、尿道カテーテルによる炎症も原因となる事ももありますので、注意が必要です。結石による場合は尿管や尿道を結石が通過する際に、傷をつけた事による血尿がみられる場合もありますが、無自覚の場合でも血尿が確認できることもあります。

また泌尿器系にできる腫瘍が原因の場合もあり、悪性腫瘍、良性腫瘍のどちらの場合でも尿潜血が指摘される事があります。まれに女性の場合に生理が原因になることもあります。まだ肉眼で確認できない微量が生理の数日前に確認されるケースもあります。

血尿・尿潜血の検査・診断は?

尿潜血を指摘された場合や、肉眼で確認できた血尿の検査には幾つか方法があります。一般的に行われる尿検査では赤血球以外の異常がないかを調べます。悪性腫瘍が疑われる場合は尿細胞診にて悪性腫瘍の細胞が尿の中に存在していないか調べます。検査の際に正確性が薄いと判断された際には、数回に分けて検査を行う必要もあります。

尿検査で尿蛋白が確認された場合には、腎臓系の病気を疑れ、採血を行い異常がないか確認します。尿路結石を疑う場合には、レントゲン撮影にて結石の有無を調べます。状態によって必要であればCT造影撮影を行う場合もあります。悪性腫瘍や結石を詳しく検査する際には超音波検査や内視鏡検査をする場合もありますが、まれにその他の検査中に超音波検査にて腫瘍がみつかるケースもあります。

血尿・尿潜血の治療は?

尿路感染症などが原因である血尿の場合には、細菌による感染症などが多くみられ、抗菌薬や抗生剤の投与で症状回復と様子をみます。十分な水分を摂取し、尿意を我慢せず、清潔にすることが大切です。結石が原因の場合には対処療法(鎮痛剤投与、自然排石)で様子を見る事もあり、十分な水分と運動で自然排石できれば、身体への負担も少なくなりますが、結石の大きさによっては対外衝撃破砕石術を行う事も必要もあります。

悪性腫瘍を疑う場合には精査が必要です。悪性腫瘍の程度にもより、内視鏡手術で取り除ける部位もありますが、部位に係わらず早期発見である事が望ましいので、痛みなどを伴わない無症状でも、尿潜血を指摘された場合は早めに検査してもらいましょう。