メインビジュアル

生活習慣病

「生活習慣病」はどんな病気ですか?

「体の負担になる生活習慣」を続けることによって引き起こされる病気のことです。数年前は「成人病」と呼ばれていました。生活習慣病にはいろいろな症状と疾患が含まれますが、高脂血症、糖尿病、高血圧が代表的で、悪性腫瘍、脳卒中、肝臓病、腎臓病、骨粗しょう症なども生活習慣病に入ります。特に高脂血症、糖尿病、高血圧の3つの症状はサイレントキラー(沈黙の殺人者)とも呼ばれ、自覚症状がでにくいため放置される場合が多く、動脈硬化や心筋梗塞の原因にもなります。

原因は?

生活の乱れや悪い生活習慣を続けていることで病気になりますが、その生活習慣とは以下の5つです。

  1. 食習慣(食べ過ぎ・偏食)
  2. 運動不足
  3. ストレス
  4. 喫煙
  5. 飲酒(飲みすぎ)

予防は?

病気の予防は「悪い原因」を取り除くことです。バランスの良い食事・適度な運動・十分な睡眠を心がけることで予防ができます。

食生活

1日30品目を目標

動物性脂肪より植物性脂肪を取り、肉より魚を取る。

塩分は1日10g以下、砂糖は50g以下。

運動

無理のない程度に有酸素運動(ウォーキングや水泳)

休養

十分な休息と睡眠 この他に、喫煙をやめる(控える)、飲酒をやめる(控える)ことも重要です。また、自分のからだの状態を良く知っておくことも大切です。健康診断や血液検査の結果に注意して、早め早めの生活習慣の改善が最大の予防となります。

高脂血症とは?

血液中のコレステロールや中性脂肪が過剰になり、血液の流れが悪くなっている状態のことです。放置すると動脈硬化をひきおこし、脳血管障害や心筋梗塞といった死に至る病気の下地になってしまいます。

原因

日本人の食生活が肉食など欧米化したため、高脂血症が増加しています。コレステロールは胆汁酸やホルモンの合成に使われ、中性脂肪は活動のエネルギー源として生きていくのに欠かせない成分です。コレステロールや動物性脂肪をとりすぎると脂質バランスが崩れ、動脈硬化がおこりやすくなります。 コレステロールにはHDLとLDLがあります。HDLは善玉コレステロールで余分なコレステロールを肝臓に運ぶ清掃車の役割をしています。LDLは悪玉コレステロールで全身に脂質を運びます。

症状

症状は「まぶたの黄色・ふくらみ」「足首が太くなる」などです。

治療目標

高脂血症治療の目標は合併症の有無、年齢で基準値が異なります。

冠動脈疾患 脂質管理目標値(mg/dL)
TC LDL-C HDL-C TG
なし <200 <120 ≧40 <150
あり <180 <100 ≧40 <150

TC:総コレステロール,LDL-C:LDLコレステロール,HDL-C:HDLコレステロール,TG:中性脂肪 (早朝空腹時の採血による)

治療

食事療法、運動療法、薬物療法

高血圧とは?

高血圧は日本で最も患者数の多い生活習慣病です。50歳以上の3~4人に1人が高血圧です。高血圧を放置すると、全身の動脈硬化を促進させ、脳・心臓・腎臓に障害を起こし、死亡原因の上位を占める脳血管障害や心臓病の引き金になります。

高血圧の基準は?

血圧とは血液を全身に循環させるために心臓は高い圧力で血液を動脈に送り出します。このとき、動脈の壁にかかる圧力を血圧といいます。高血圧の基準は以下となっております。
最大血圧=“収縮期血圧”は心臓が血液を送り出す時の圧で140mmHg以上。
最低血圧=“拡張期血圧”は心臓が拡張して血液を心臓にため込む時の圧で90mmHg以上。

高血圧の種類は?

二次性高血圧:腎臓の異常、心血管系の異常、ホルモンの異常など原因がはっきりしている高血圧。 本態性高血圧:原因不明の高血圧で80~90%をしめる。遺伝、塩分の多い食事、ストレス、運動不足、飲酒などが引き金になります。

自覚症状は?

高血圧には自覚症状があまりありません。初期には頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り進行すると動悸、胸痛、むくみ、足のしびれなど認められます。

治療

食事療法、運動療法、薬物療法

糖尿病とは?

日本では糖尿病および予備軍患者は1400万人いると言われております。飽食の時代の代表的な生活習慣病です。糖尿病は{血管の病気}といわれ、放置すると様々な血管合併症を併発し、大事に至る病気です。糖尿病は、膵臓で作られるインスリンが不足したり、その働きが不十分なため起こる代謝障害です。

糖尿病のタイプは?

1型糖尿病:子供に多く、インスリンを作る細胞が壊され、インスリン分泌がほぼゼロになっています。免疫異常疾患と考えられています。
2型糖尿病:中高年に多く、生まれつきの素因に、過食・肥満・運動不足・ストレスが引き金になり発病します。大部分の糖尿病は2型です。

糖尿病の合併症は?

網膜症・腎症・神経障害を三大合併症といいます。
糖尿病網膜症:失明につながる合併症です。
糖尿病腎症:進行すると腎不全となります。透析患者の半数以上は糖尿病が原因です。
糖尿病神経障害:三大合併症の中で最も頻度が高く、発症も早いものです。手足がしびれるのがその症状です。

自覚症状は?

高血圧には自覚症状があまりありません。初期には頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り進行すると動悸、胸痛、むくみ、足のしびれなど認められます。

治療

食事療法、運動療法、薬物療法